連れだって帰宅する五人の小学一年生の話題は、
いつしか、
仮面ヤイバーからフットサルへと移っていた。
「すっげぇ強いらしいぜ、あいつら」
「その噂、ボクも聞きました。まだ負け知らずとか」
「歩美も知ってる、真っ黒いチームなんだよね」
「雑煮ングでもやってるんじゃねえのか」
「それを言うならドーピングですよ、玄太君」
「うるせえぞ、光彦」
大柄な玄太が光彦の頭をポカリと叩く。
「痛いなあ」
光彦は細面の顔をしかめた。
同級生の子供っぽい争いには関心を示さず、
声をひそめて歩美が呟く。
「なにか、怪しいわ・・・」
顔を見交わす三人組。
ヒソヒソと相談を始める。
退屈そうに話を聞いていた、
コナンの脳裏に不安が掠めた。
(黒ずくめのユニフォーム。まさか・・・)
しかし、
推理に没頭しようとした矢先、
ふと、
自分を凝視する視線に気づき、
コナンは我に返った。
「何だよ灰原」
「江戸川君、あなた、何を考えてるの?
彼らがフットサルチームを作ったとでも?」
「どんな可能性も排除しないのは推理の基本だぜ」
不敵に笑うコナン。
肩をすくめ、呆れたように首を振る哀。
そのとき、
「ねえ。コナン君と哀ちゃん」
歩美がコナンと哀の間に割り込んできた。
「何話してるの?」
「アハハハ、何でもないよ。ねっ? 灰原さん」
子どものふりをするコナンを無視し、哀は先を歩く。
釈然としない顔の歩美。
「おい、コナン!」
玄太がコナンの背中をバンと叩く。
「俺たち、フットサルチームを作ることにしたからよ」
「キャプテンはコナン君にお願いします」
馬鹿丁寧に光彦が頭を下げる。
(おいおい。マジかよ・・・)
凹むコナン。
前方を見ると、哀の肩が小刻みに震えている。
(灰原の奴、他人事だと思いやがって)
名探偵の憂鬱も知らず、歩美ははしゃぎ、少年たちに約束させる。
「明日の日曜日、米花フットサルパークに集合だからね」
そして、
心なしか楽しげな少女の後ろ姿に声をかける。
「哀ちゃんもだよ」
灰原哀の肩の震えがピタリと止まった。
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