リュウケンは四人の息子たちを見回した。
「フォーメーションは『1−2−1』。ダイヤモンド型」
老人の声が狭い部屋に響く。
「ゴールキーパーは」
巨躯の長男を養父が見やる。
「ラオウ、おぬしに任せる」
「うむ」
「ディフェンダーは、わし、リュウケン」
静まり返る選手控え室。
扉を隔てた試合会場の喧噪とは対照的だ。
「中盤はトキとジャギ」
「了解した」
瞑目したままうなずく次男トキ。
三男ジャギは床に唾を吐いた。
「まかせろ」
ラオウの唇がかすかに歪む。
(リュウケンめ。実力の劣るジャギの穴をトキにカバーさせる気か)
トキの表情は変わらない。
ジャギが貧乏ゆすりを始める。
「最後、フォワードは」
リュウケンの眼差しは末子を捉えた。
「おまえだ。ケンシロウ」
「ああ」
乾いた小枝が折れるような音が響く。
ケンシロウが指の関節を鳴らしたのだ。
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