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2009年05月01日

ロミオの青い空の下でカルチョ 第一回

 抜けるような青い空。
 ロミオは立ち止まり、大きく腕を挙げ、高く背伸びした。
 冬から春にさしかかる季節の澄んだ空気を目一杯吸う。
「ロミオ、遅刻するわよ」
 ビアンカがロミオの黒い上着を引っ張った。
「大丈夫さ。ビアンカもやってみれば? 気持ちいいから」
「・・・そう?」
 少し照れた様子で、ビアンカが背伸びする。
 その様子を眩しそうに見つめるロミオ。
 若くして天に召された親友の面影をしのばせる少女・・・。
 ロミオは固く心に誓った。
(絶対に勝つ!)
 今日はアルフレド杯。
 煙突掃除の少年たち『黒い兄弟』と、
 地元の不良グループ『オオカミ団』が、
 サッカーで雌雄を決するのだ。

to be continued

2009年03月23日

天皇陛下のホテイ・アンジュ 第二回

「厨子王丸くん」
 安寿は、若い警官に話しかけた。
 彼は、犯行現場の検証中だった。
「また君か・・・」
 顔をしかめる氷室厨子王丸(ひむろ・ずしおうまる)。
 安寿の従兄で婚約者だ。
「ねえ、安寿・・・」
 無駄とは知りつつ、小声で将来の妻に説教する。
「レディはこんな血なまぐさい事件に関わるものではないよ」

to be continued

2009年03月09日

天皇陛下のホテイ・アンジュ 第一回

「こら、小娘。ここから先は入っちゃいかん」
 ヒゲづらの警官が高圧的な物言いで注意する。
 しかし、洋装の美少女は、どこ吹く風で、身軽にロープを飛び越えた。
 少女の胸元でキラリと光るペンダント。
 振り返ると、警官に微笑んだ。
「わたくしは布袋安寿(ほてい・あんじゅ)。
わたくしに意見するということは、
 このペンダントに意見すると受け取ってよろしいのですね?」
「何だと?」
 食い入るように見つめるヒゲづら男の目に映ったものは、
 燦然と輝く菊花の紋章。
「うっ・・・そ、それは」
 言葉を失う警官。
 安寿は踵を返し、優雅な足取りで殺人現場に向かう。
 時代(とき)は明治。
 文明開化の波が日本を飲み込もうとしていた。
「思い出したぞ。
 布袋・・・安寿・・・天皇陛下の暗殺を未然に防いだ少女・・・」

キャプテン・コナン 第二回

「おや? コナン君じゃないか」
 日曜日。
 米花フットサルパークの更衣室。
 コナンは声の主を見上げた。
「あっ、高木刑事」
「君もフットサルかい?」
「うん。そうだよ」
 着替え終わったコナンがロッカーの鍵を閉める。
「君もってことは高木刑事もフットサル?」
「まあね」
「ふーん・・・」

to be continued
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2009年02月23日

キャプテン・コナン 第一回

 土曜日の放課後。
 連れだって帰宅する五人の小学一年生の話題は、
 いつしか、
 仮面ヤイバーからフットサルへと移っていた。
「すっげぇ強いらしいぜ、あいつら」
「その噂、ボクも聞きました。まだ負け知らずとか」
「歩美も知ってる、真っ黒いチームなんだよね」
「雑煮ングでもやってるんじゃねえのか」
「それを言うならドーピングですよ、玄太君」
「うるせえぞ、光彦」
 大柄な玄太が光彦の頭をポカリと叩く。
「痛いなあ」
 光彦は細面の顔をしかめた。
 同級生の子供っぽい争いには関心を示さず、
 声をひそめて歩美が呟く。
「なにか、怪しいわ・・・」
 顔を見交わす三人組。
 ヒソヒソと相談を始める。

 退屈そうに話を聞いていた、
 コナンの脳裏に不安が掠めた。
(黒ずくめのユニフォーム。まさか・・・)
 しかし、
 推理に没頭しようとした矢先、
 ふと、
 自分を凝視する視線に気づき、
 コナンは我に返った。
「何だよ灰原」
「江戸川君、あなた、何を考えてるの?
 彼らがフットサルチームを作ったとでも?」
「どんな可能性も排除しないのは推理の基本だぜ」
 不敵に笑うコナン。
 肩をすくめ、呆れたように首を振る哀。
 そのとき、
「ねえ。コナン君と哀ちゃん」
 歩美がコナンと哀の間に割り込んできた。
「何話してるの?」
「アハハハ、何でもないよ。ねっ? 灰原さん」
 子どものふりをするコナンを無視し、哀は先を歩く。
 釈然としない顔の歩美。

「おい、コナン!」
 玄太がコナンの背中をバンと叩く。
「俺たち、フットサルチームを作ることにしたからよ」
「キャプテンはコナン君にお願いします」
 馬鹿丁寧に光彦が頭を下げる。
(おいおい。マジかよ・・・)
 凹むコナン。
 前方を見ると、哀の肩が小刻みに震えている。
(灰原の奴、他人事だと思いやがって)
 名探偵の憂鬱も知らず、歩美ははしゃぎ、少年たちに約束させる。
「明日の日曜日、米花フットサルパークに集合だからね」
 そして、
 心なしか楽しげな少女の後ろ姿に声をかける。
「哀ちゃんもだよ」
 灰原哀の肩の震えがピタリと止まった。
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2009年02月19日

王様たちと私 第二回

「あのー」
 教室を出た私に、一年生の女子が話しかけてきた。
 軽千代(かるちよ)高校では、セーラー服のスカーフの色で学年を判別できる。
「はい?」
「サッカー部のマネージャーさんですよね」
「ええ」
「これを円城寺君に渡して下さい・・・」
 グイッと手紙を押し付けられ、
 思わず受け取った私の返事も聞かないで、
 彼女はタタタッと走り去った。

to be continued
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2009年02月13日

北斗のフットサル 第三回

 天帝杯フットサル決勝。
 軽快なアンセムが試合会場に響き、
 北斗チームと五車星チームがエスコートキッズと入場する。
 少女リンはケンシロウの手を握って満足そうだ。
 貴賓席に座る姉、天帝ルイに微笑む。
 しかし、
 ルイの隣に美女ユリアを認めるや、
 その表情は曇った。
(ユリアさんのケンを見る目・・・何て優しい・・・)
 小さな胸が敗北感でいっぱいになる。
(早く大人になりたい・・・)
 選手がコート中央に整列し、
 両チームの星歌の斉唱が始まった。 

to be continued

タグ:北斗の拳
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2009年02月05日

ショーサン区の空に 第一回

「ねえ、お父さん」
 幅広い橋のたもと。
 平拓志(たいら・たくし)は父親の顔を仰ぎ見た。
「この先が【ショーサン区】?」
「そうだよ。これから一年間、お前が暮らす【小三区】さ」
 父親が不安げな息子の肩を優しく叩く。
「みんな、拓志と同じ小学三年生だから、きっと楽しく過ごせるよ」

 橋の入口を閉ざしていた鉄柵が開いた。
 小学三年生の一団が向こう岸をめざして進み始める。
 
「ヘイ、タクシー!」
 元気な声が背後から聞こえ、拓志の肩に重さが加わった。
 腰をはさむ太ももを条件反射的に手で支えてしまう。
 拓志におんぶされた女の子、
 頼鳥ミノリ(よりどり・みのり)は彼の幼馴染である。
「行先は【ショーサン区】! 大至急でね!」
「じゃあ、お父さん、行ってくるよ」
 拓志は駈け出し、同い年の群れに溶け込んだ。

「大丈夫ですよ」
 拓志の父は、涙を流して娘を見送るミノリの両親を励ました。
 まるで、自分に言い聞かせるように。
「あの子たちは、きっと戻ってきます。一年後、私たちのもとに」
 遠ざかっていく子どもたちから、彼らは目を離さそうとしない。
 警備兵が鉄柵を再び閉ざした後も。
 いつまでも。

to be continued
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2009年01月26日

荒野の七忍 第二回

 少女は夢を見ていた。

 町を襲うサムライの一団。
 逃げ惑う町民の群れ。
 サムライたちの嘲笑。
「また来年会おう!」
「それまで貯えとくんだぜ!」
「目一杯はたらいてな!」
「俺たちのために!」
 絶望する町民。
 立ち上がったのは、一人の少女。
 町を守る用心棒を探すと言う。
 長老から少女に託される水晶のペンダント。
 旅。
 一人の少年との出会い。
 発光するペンダント。
 荘厳たる眩さに全身を貫かれ、

 少女は目覚めた。

「この水晶は、ニンジャ探知器だそうです」
 胸元を見つめるジロに気づいた少女。
 細い指でペンダントの膨らみをなぞる。
「ニンジャのパワーの源である太陽ニュートリノに反応して・・・」
「違うよ」
「えっ?」
 ハルがニヤニヤ笑う。
「兄貴が見てるのはペンダントじゃなく」

to be continued
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2009年01月23日

北斗のフットサル 第二回

 妖星ユダのシュートはゴールを逸れた。
 異様な雰囲気に包まれる試合会場。
 圧倒的有利の下馬評だった南斗五聖チームが敗北する瞬間が迫る。
 残り時間7秒。
 得点差は2点。
 五車星チームの勝利は目前だった。
(この海のリハクの目をもってしても見抜けなかった)
 天才軍師がひとりごちる。
(本気のジュウザがこれほどの強者とは)
 すでに勝利を確信し、大あくびする雲のジュウザ。
 主審のリュウガが笛をつかんだ。
 将星サウザーが天を仰ぐ。
 殉星シンが膝をつく。
 そして、
 義星の男レイが吠えたとき、

 タイムアップ。
 
 炎のシュレンが飛びあがって喜びを爆発させる。
 仁星のシュウはユニフォームを脱ぎ、風のヒューイと交換する。
 ゴールを守った山のフドウの巨体に幼い息子たちが飛びついた。

 前半2-1。
 後半1-4。
 最終スコアは3対5。
 4連続ゴールで逆転勝利をおさめた五車星チーム。
 次なる相手は北斗チームである。
タグ:北斗の拳
posted by gyao at 23:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 北斗のフットサル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする